エクセルで万年カレンダーを関数で作ってみました( 元記事 )。
その時、エクセルの日付の元になるデータでは、1900年はうるう年ではないのに2月29日があるので、それ以前は一日ズレるんだそうです。
エクセルでは1900年1月1日0:00を1.0として、一日を1としたシリアル値というもので日付データを管理しています。
試しに、A1のセルに 1900/2/27 と入力すると、エクセルは自動的に日付として判断してくれます。
A2のセルに =A1+1 を入れると、A2のセルには 1900/02/28 と表示されます。日付のセル(のシリアル値)に1を加算すると翌日になるからです。
A2のセルをそのまま下にコピーすると
2月29日が表示されます。国立天文台の「日本の暦日データベース」から1900/02/25から10日間の日付を求めると
となり、1900/02/29はありません。
なので、さきほどのエクセルの表で、B列に左隣りのセルを参照して、セルの表示を和暦にすると
A列は上のセルに+1してあります。なので、エクセルでの計算上、2/28に+2をしないと翌日の3/1にはなりません。
1900/02/29を日付計算に含める時には、注意しないと存在しない2/29の為に1日ズレる事になります。
---
さて、過去の日付についてですが、明治のカレンダーはどうなっているのか気になり、調べてみました。
慶応4年9月8日(1868年10月23日)に慶応年間は終わりになり、それまでの慣習だと同日が明治4年9月8日となるはずでした。
ただ、「一世一元の詔下」(一つの元号につき一人の天皇とする)というルールを定めた関連で、慶応4年は1月1日までさかのぼって明治にするという事になりました。
なので、慶応4年1月1日~9月8日までは明治元年でもあることになりました。
しかし、これは不便なので、先ほどの国立天文台の「日本の暦日データベース」では
となっていて、慶応4年も存在しています。史実でも存在しているのだから当たり前ではありますが。
---
過去のカレンダーを考える時、新暦、旧暦とか、グレゴリオ暦、ユリウス暦といったものを考慮する必要があります。
国立天文台の「日本の暦日データベース」では「西暦の日付は、1582年10月15日以後はグレゴリオ暦、それより前はユリウス暦の規則に従った日付となります。」とあります。なので、
天正10年9月18日は1582/10/04ですが、翌日の天正10年9月19日は1582/10/15になっています。
過去の日付、例えば文献などに表記されている日時は、当時利用していた暦にょるものなので、こういう扱いは合理的だし正しいと思います。
そして、旧暦問題。
日本では明治5年12月2日(1872年12月31日)まで旧暦という暦を使っていましたが、明治6年からはグレゴリオ暦に変わりました。これは具体的には以下のようになったという事です。
となり、明治5年12月02日の翌日が明治6年1月1日になってしまいました。
これって明治5年は一年の長さが328日に短くなったという事です。
旧暦では大の月(30日)と小の月(29日)が年によって違っていたり、閏月といって、年13カ月になる年があったりで、和暦と西暦との変換は計算では難しい、というか不可能では、と思います。
さらに、旧暦にも種類があるので、現代の我々が古書にある和暦の年月日が西暦だといつになるのかは、年表だよりになってしまうのも仕方ありません。
なので、私は国立天文台の「日本の暦日データベース」を信用するしかありません。このデータベースでは
神武元年1月1日以降の和暦に対応しているようです。信憑性に関しては、私の場合は信じるしかありませんが、臨機応変といった所です。
一応断っておきます。国立天文台の「日本の暦日データベース」の表示例は一部をトリミングしています。実際は
西暦・和暦・紀元・年の干支・日の干支が表示されています。
古い文献などだと干支表記があるからでしょうか。
「大化の改新」は645年と歴史の授業では教わりましたが、「乙巳の変」ともいうそうです。
今回調べてみると、暗殺事件が起きたのは皇極天皇4年6月14日(645年7月12日)。
大化は日本では最初の元号で、皇極天皇4年6月19日(645年7月17日)が大化が始まった日となっています。
データベースでは「皇極天皇4年」は1月1日までさかのぼって「大化元年」になっています。仕様ですね。改元年については補正が必要という事です。
---
最近の改元日です。
明治の改元日。上でも述べましたが再掲します。
大正の改元日
明治天皇は明治45年7月30日午前0時43分に崩御。30日は当初は明治45年だったがその後明治は29日迄で、30日から大正とする事が公式に決まった。(崩御当日に改元の詔書(明治四十五年七月三十日以後ヲ改メテ大正元年ト為ス)を発した。)
昭和の改元日
大正天皇は大正15年12月25日に崩御。午前1時だった。公式には、大正は24日まで、25日から昭和となった。(崩御当日に改元の詔書(大正十五年十二月二十五日以後ヲ改メテ昭和元年ト為ス)を発した。)大正改元と同じですね。
平成の改元日 昭和天皇は昭和64年1月7日に崩御。
令和の改元日 天皇崩御と無関係。だったら年末にすればと思ってしまう。
現在、元号法という法律に基づいて元号は決まっています。
元号が無い、または決まっていない年は、慣習で今上天皇の名前の年、神武天皇元年とか称しているので、今後天皇制が廃止になったら元号は無くなってしまうのでしょうか。昭和の次の元号をどうするかの議論では、廃止もあったそうです。
将来は西暦だけになるとか、新たに星歴とか宇宙歴なんかが出来るのかも。学生には、いや普通に暮らすだけでもその方が便利そうです。
役場などで日付を記入する時、いつも悩んでしまいます。西暦の年すらすぐ出てこなかったり。年号以前ですね。
---
過去のある日が西暦で何年何月何日なのかは、非常に複雑です。閏月とかまざると、もう私にはお手上げです。
なので、やはり年表を用意して調べるのが簡単で確実です。市販のものもいろいろあるようです。
年表での検索(amazon)
買わなくても、国立天文台の「日本の暦日データベース」を利用して、西暦順に年表を作っておけば良いわけです。
もちろん、その都度データベースから引用すれば良いのですが、大化元年のように、改元日ではなく1月1日までさかのぼって大化元年とされていたのでは、当時の状況を再度検討せざるをえません。なので、やはりそれらを加味した年表を作っておいて利用するのが便利です。
実はエクセルで作り始めました。まだ飛鳥時代の大化~和銅が終わっただけです。645年~715年。まだ100年も終わってません。
2021年まで完了するのは、いったいいつになるのやら。
PS.
年表を作りながら、改元の日を確認したり、気になる事柄をネットで調べたりと、なかなか歴史の勉強みたいで面白いです。
なんといっても、試験が無いのが良いですね。勉強というと強いられるものですが、それが無いのは、何というか、自由でしょうか。そんな気分です。
ただ、せっかく調べても、すぐ忘れてしまうのは残念です。